2章 引きこもりと未来と大桜一家

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「いえっ、嫌だなあって思ったわけじゃないんですよ?」 ここ1年、家族以外の人間とまともに会話すらしていない俺が、今日いきなり出会った女の子の頭を撫でているなんてまったくお笑い草だ。 俺は恥ずかしさを誤魔化すように煙草を取り出し火をつけた。 それからは、さっきの無意識の反動なのか。 俺は妙に彼女を意識してしまい、しばらく2人黙って歩いていた。 か、会話がねえ。 だんだんと沈黙と、このおかしな空気に、俺のただでさえ少ない忍耐力(何に対する忍耐なのかは不明だったが)のタンクが空になろうとした時。 「次郎くん、見えてきましたよ」 そう未来が口を開いた。
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