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「あれ? 誰かいる……」
屋敷の門が見え始めた時、そう呟いた未来に釣られて俺も前方の闇を目を凝らして見てみた。
なるほど、たしかに誰かが門の側に立っている。
その人物は腕組みをして、なんだかソワソワと落ち着かないように見えた。
「あ、飯塚さんです! 飯塚さーん!」
不審に思いながらも近づいていくと、未来が何かに気付いたのかいきなり声を上げた。
な!?いきなり!?
声を出した未来に俺は思わずパニックになる。
「ば、ばかっ! 呼ぶんじゃねえっ」
「え? どうしてですか?」
1+1は?と訊かれて、『2です』と答えたのに『違います』とでも言われたかのような、そんな不思議そうな顔で俺に尋ねてくる未来。
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