2章 引きこもりと未来と大桜一家

18/73

44011人が本棚に入れています
本棚に追加
/1398ページ
「あれ? 誰かいる……」 屋敷の門が見え始めた時、そう呟いた未来に釣られて俺も前方の闇を目を凝らして見てみた。 なるほど、たしかに誰かが門の側に立っている。 その人物は腕組みをして、なんだかソワソワと落ち着かないように見えた。 「あ、飯塚さんです! 飯塚さーん!」 不審に思いながらも近づいていくと、未来が何かに気付いたのかいきなり声を上げた。 な!?いきなり!? 声を出した未来に俺は思わずパニックになる。 「ば、ばかっ! 呼ぶんじゃねえっ」 「え? どうしてですか?」 1+1は?と訊かれて、『2です』と答えたのに『違います』とでも言われたかのような、そんな不思議そうな顔で俺に尋ねてくる未来。
/1398ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44011人が本棚に入れています
本棚に追加