2章 引きこもりと未来と大桜一家

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男はしばらく黙って立ったまま未来の姿を眺めていたが、突然片膝を折って、握り拳を地面につけ未来に向かって深々と頭を下げた。 「大変申し訳ありやせんでした! 七生を以てお嬢をお守りすると誓いながら……この飯塚秋生一生の不覚でございやすっ!」 「え……ちょっとちょっと飯塚さんっ?」 「かくなる上は、いかような罰も受け、ケジメをつける所存で……」 言うが早いが、男は懐からさっと短刀を取り出した。 ……あれって、どうみても果物ナイフじゃないよな。 林檎の皮を剥くために持ってる物じゃないよな。
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