44011人が本棚に入れています
本棚に追加
/1398ページ
男はしばらく黙って立ったまま未来の姿を眺めていたが、突然片膝を折って、握り拳を地面につけ未来に向かって深々と頭を下げた。
「大変申し訳ありやせんでした! 七生を以てお嬢をお守りすると誓いながら……この飯塚秋生一生の不覚でございやすっ!」
「え……ちょっとちょっと飯塚さんっ?」
「かくなる上は、いかような罰も受け、ケジメをつける所存で……」
言うが早いが、男は懐からさっと短刀を取り出した。
……あれって、どうみても果物ナイフじゃないよな。
林檎の皮を剥くために持ってる物じゃないよな。
最初のコメントを投稿しよう!