2章 引きこもりと未来と大桜一家

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「私はこの通り無事に帰ってきました。だから、それだけでもう良いじゃないですか。さあ……家に入りましょう。一緒にご飯を食べましょう。そして、もう二度とそんな馬鹿なことは言わないで下さい。飯塚さん、私おかしなこと言ってますか? 飯塚さんにずっと元気で笑って居て欲しい、側にいて欲しい、そう思う私は間違っていますか?」 未来のその言葉は、完全に蚊帳の外の住人である俺でさえ聞き惚れてしまうほどの優しさと慈愛に満ちていた。 それまで黙って未来の話に耳を傾けていた男は、一度頭を下げるとゆっくりと口を開いた。
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