1章 引きこもりと女の子と抗争

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「じゃあ、私は筒見さんのことなんて呼べば良いですか?」 「ん、好きに呼んでくれていいよ」 俺は別に筒見という苗字にも、次郎という名前にも愛着は特に持ってはいなかったのでそう答えてやる。 「はいっ、えーとですね、では次郎ちゃんと……」 「お前は俺の幼なじみか!」 思わず突っ込んでしまう。 「えっと、でも好きに呼べって……いけませんでしたか?」 「あ、いや、いけなくはないけどさ……なんつーかそれはダメだ、なんか呼ばれて鳥肌が立つ。ちゃん付けは勘弁してくれ」 恥ずかし過ぎる。 「そうですか……。では、じろちゃんと」 「俺が3秒前に言った台詞復唱してみろ! お前は何を聞いてんだ!」 「あ、ごめんなさいっ。でもですねっ、私すごくそういうのに憧れてて……」 必死で説得すること5分ほど。未来はしぶしぶながらちゃん付けを諦めたようで、俺は次郎くんということで落ち着いた。
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