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紅のような、赤い花束を買ってみた。赤く、赤く…綺麗な真っ赤―…
毎年、ある日になると俺はこの赤い花束を買っては果てしなく広がる大きな海へと、この花束を捧げていた。
そう、いつか
君に
届くんじゃないのかな、って思ってた。
「なぁ、アッシュ…。お前は、死んだりなんかしてないよな―?」
どうして、どうしてこんなにも。人という生きものは『死』というものを受け入れることができないのだろうか…?
頭では、こんなにも解っているはずなのに…
なんで―――?
「ッなぁ…、なんで…なんでお前、傍にいないんだよッ…?」
枯れることを知らない涙はまた頬を濡らして、雫となる。
だって
待つのは辛い。
独りでは
もう、耐えきれない。
だからお願い
キスをして。
好きだと言って。
お願いだから…傍にいて…。
俺を独りにしないで…?
俺はいつまでも、紅い花束を買い続けるよ?
お前のために―…。
だから
永遠を願うなら、もう一度だけ抱き締めて。
END
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