罪から君を愛して

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ぽつり、と漏れた言葉はあまりに哀しかった。それは果たして、雨のせいなのだろうか… それとも… 「ガイ。テメェ、こんな所で何してやがる?」 「…っ!ぁ、アッシュ…」 名前を呼ばれ顔を上げれば、今会いたくない人ベスト3くらいには入りそうな奴が立っていた。 とことんついていないι 濡れた彼の紅い髪は、ぺったりとしていていつものオールバックは完璧に崩れてしまっていた。何だかこうして見ると…本当にこいつはルーク、だと思う。 嫌な話だ。 オジリナルとレプリカ。 彼らは同じ人であり、同じ人ではない。大きな矛盾、誤解。これは変えようのない事実であり、また真実だ。そして『こいつ』こそが、昔オレが本気で殺意を持ってしか見てこなかった『ルーク』だ。そう… …――ルーク・フォン・ファブレ 「お前こそ。一体、こんな所で何してんだい?」 「…お前には関係のないことだな。」 「へぇ…」 外見はオレの知ってるルークと同じ。変わりなんて何処にもない。なのに、このざわめく気持ちは何だ…?オレはまだこいつが憎いのか? 殺したい? 復讐をしたい? …まさか。そんなことはない。 ただ……… 「……おい、ガイ。」 「…何だ?」
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