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「あぁ。
いつも思うよ。
こんな日々がいつでも続けばいいなってさ。
明心町のみんながこの先ずっと生き続ければ地球滅亡まで楽しく過ごせるのに。」
ロクは何気なくつぶやくと長さんはグラスにコーラを注ぎながら笑った。
「ハッハッハ!
おいおいまだそんな歳なのに死に対する恐怖心持ってんのか?
俺なんかもうすぐ40なのにそんなこと考えたことないぞ?」
コーラを注ぎ終えて長さんは続ける。
「若い世代は細かいこと考えないでハッチャけてりゃいいんだよ。」
ロクは長さんの明るい返しを聞いて微笑みながら答えた。
「それもそうだな。」
長さんがマキの注文したジンジャーエールを注ごうとしたその時、鈴の音と同時にドアが開いた。
四人は入口に目をやった。
入って来たのは猛暑にも関わらず黒いスーツを来た三人の男だった。
先頭の男が店主らしき人物を見つけるとバーまで近づいて胸ポケットから一枚の写真を取り出した。
「失礼。
この子供を見かけませんでしたか?」
バーのテーブルに置かれた写真には10歳ぐらいの白髪の子供の顔だけが写っていた。
アキラもマキもその写真をじっと見る。
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