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「ん~?
この町で見かけたことのない顔だな。」
長さんは記憶を辿ってみたが、見たこともない子供だと確信した。
ロクもアキラもマキも回想してみたが心当たりがまったくなかった。
「そうですか。」
黒スーツの男達は冷めたような顔をしてこそこそと顔を合わせて話した。
「この町もダメだったな。」
「仕方ない。
隣町へ行くぞ。」
小声だったが四人には丸聞こえだった。
「もし見かけたら連絡してください。」
そう言って写真を胸ポケットにしまって電話番号が書かれたメモ用紙を四枚テーブルに置いて三人の男は店を出ていった。
「何だったんだ?」
ロクは連絡先が書かれた紙をポケットに入れて聞いた。
「さぁ。
迷子じゃないの?
見た目からしてお金持ちの召し使いだったりしてね。」
マキは再びエアホッケーの台へと歩いていった。
「んじゃあの白い髪の子供がお金持ちの子供だとでも?」
アキラも元の位置に戻りエアホッケーを再開。
「冗談よ。
いくら大富豪でも自分の息子を白髪にするわけないで、しょ!」
マキは円盤を思いきり打ち返した。
円盤は真っすぐアキラのゴールへと入った。
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