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交差した道に出るとアキラは右の道、マキは左の道、そしてロクは真ん中の道へと行って振り向き様に手を振り合った。
「次は絶対勝つからな!
じゃあな!」
「何年かかるかしらね?
バイバイ、ロク、アキラ。」
「おう。
また明日な!」
三人はそれぞれの帰路を歩いて行き、分かれた。
「それにしても今日餓鬼魂に来たスーツの男達、あの写真の子供、何者だったんだ?」
ロクはまだあのことが気になっていた。
写真の白髪の少年を見てからなんだか不思議な気持ちになっているのだ。
何が不思議に思わせているのかよく分からないが、普通じゃないような感覚。
ロクが疑問を膨らませつつ、夕暮れに浮かぶ茜雲を見ていると一台のトラックが後ろから走ってきてロクの横を通り過ぎた。
ロクは気にせず道を歩いていた。
その時、
ガン!!
突然の大きな音に驚き前を見ると、トラックが次の交差する道で止まっていてしばらくすると猛スピードで左へと曲がっていった。
真ん中の道には子供が一人倒れていた。
「ひき逃げ!」
ロクはさっきのトラックの様子と向こうで倒れている子供が視界に入っただけでそう確信した。
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