ロクと明心商店街

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「アキラは暑さだけには弱いんだよ。 普通の気温なら三秒で日本の裏側まで走れそうなのにな。」 ロクが片手でシャツの首元をつまんで上下に動かしてシャツの中に風を送りこみながら、暑さにダウンしかけのアキラの代わりに答えた。 マキは思い出して思わずうちわともう片方の手をパンと叩いた。 「あぁ~、そうだったわね! 小学生の時の夏に三人で駄菓子屋でアイスキャンデー買いに行った時アキラだけ二本買ってさ、 『なんで二本も買ったの?』 って聞いたら、 『地球が熱いから僕たちも暑いんだ。』 って言ってアイスキャンデー食べながらもう一本のアイスキャンデーを一生懸命道路に押し付けてたわね~。」 「あ~あったあった! そのあと熱中症で倒れて大変だったよな~。 馬鹿というか、でもむしろ必死にアイス押し付けてる姿は今思い出せば可愛かったな~。」
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