運命の日

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「聞いた?秋の王子サマが今年生徒会長に立候補するらしいよ」 「え!?」 「あーあ、クラスが同じにならないと喋る機会減りそうだね~」 悪戯をする子供のように笑う。 この一年で私に好きな人ができました。あの始業式で隣に座った『青柳黒』と言う人。 中学のとき付き合ってた彼氏なんかとは全然違っていい人。……だと思う。だっていい噂しか聞かない。 人付き合いがよく、明るくて、優しくて。それだけで男子の一年生のリーダー的存在。 格好よくて、頼りになって、ずっと主席で、お金持ちらしくて…。これだけで女子からはモテモテ。 そんな人を好きになりました。 最初は気になる程度だった。青柳君がいつも主席で、私はいつまで経っても次席…。ちょっと自慢になるけど、私は頭だけは偉い。 小学、中学でもいつも一番だったのに…。そんな感じで青柳君を見てきた。 それがいつしか青柳君が近くを通るたび、目で追うようになって………。 気づいたら好きになっていた。
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