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業務的な挨拶から始まって、どんどん進んでいく。が、秋の頭には入っておらず、ただ座っているだけ。
横目で男の子を見れば、姿勢を崩さずキリッとしている。「凄いなぁ…」なんて軽く尊敬し、自分も姿勢を正した。
そして式も最後のほうになり、次は新入生の言葉。確か主席で合格した人がすると聞いた。少し自惚れてしまうが、自信があった試験。だけど何も言われてないってことは、秋より上の人がいる。
興味を抱き、誰なのか目を凝らした。
「新入生代表、青柳黒」
「はい」
声は近くから聞こえ、隣の男の子が動き出した。
まさか…。と彼をただ見つめた。
彼、黒は静かに壇上へ上がり、校長の前で白い紙を広げる。
「柔らかな日差しの中―――」
こっちではあまり聞かない西の方言にさらに驚いた。普通に喋っているのだろうが、それが逆に変に聞こえる気がする。
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