4人が本棚に入れています
本棚に追加
「入学おめでとう」
教師が喋りだす。それから軽い自己紹介が始まって、次に自分達の自己紹介もした。
それが終わるとこれから一年のことを説明し、明日の説明が終わると解散となった。
「なんか中学みたいにうるさいこと言わないねー」
「なんか自由って感じがしたね。化粧も禁止されてないし、明日からしてこよーっと!」
「あ、私も「ダメ」
一刀両断され、何でよー…と文句を呟く。
「夏~」
後ろから夏を呼ぶ声が聞こえ、夏でもないのに二人で振り返る。
そこには、優しそうにニコニコと笑っている男の子。髪の毛はちゃんとセットされており、なんだかオシャレな人のイメージが強く残る。新品な制服も見事着こなしていて、大人っぽく見える。
そんな人に呼ばれた。
「うざ」
「名前呼んだだけじゃん。ねー、これから一緒に遊ばない?」
「私秋と一緒だし、あんたとつるむつもりない」
「そっか、残念。じゃあまた明日誘うね」
「話しかけんな」
だけど一番の印象は『女たらし』。見た目通りの人だった。
夏は昔からこんな人が嫌いで、誰にでも優しいはずなのにこの人にだけは社交辞令も何もなかった。
彼が手を振っても無視をし、荷物を持って教室を出た。
「あいつとあと一年とか最悪」
「でもいい人そうだよ?」
「嫌。無理」
こうして、高校生活が始まった最初の1日が終わった。
最初のコメントを投稿しよう!