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「おーい、起きろー」
掛け布団の上から声が降ってきた。つい先月声変わりしたばかりの低い声。
私はなんとなくムカついたのでその声を無視し続けた。
次第に和真の声は大きくなり、そのうち、布団を揺すり始めた。それすらも無視し、狸寝入りを決めこむ。
三十秒ほど和真が布団を叩き続けると、急に叩くのがやんだ。
突然和真が叩かなくなったので不思議に思い、顔までかぶった布団をゆっくりとはがす。
そして、ちょうど目がそこから出ようとしたところで、掛け布団がバッと一気にはね退けられた。
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