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私の視界に悠然と立つ制服姿の和真が映った。そして和真は私の姿を見るなり、叫んだのだ。
「早く起きろって言ってるだろ、優兄貴!」
…………ん? 何か今妙な違和感があったような……。
和真は固まっている私を見て、再び一括した。
「だ・か・ら、早く起きろ。遅刻するぞ?」
和真は私の目の前に目覚まし時計を突き出した。時計の中では、某有名黒ネズミが真ん中に陣取り、その両手を『8』と『2』の方向に伸ばしていた。
「……うわっ、やばいじゃん! もうこんな時間!? 何で起こしてくれなかったんだよー」
朝ごはんが食べられないじゃないか! うおおお、朝ごはんが食べられないとなぁ……死ぬんだぞ、授業中に! しかも運が悪ければお腹が鳴ってしまうんだぞ! どうしてくれる。
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