41人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、あのね優、私と、…………付き合って……ください」
放課後、二人きりしかいない屋上(ただし、屋上の入り口のドアの後ろに隠れている多数の人影あり)に、そんな声が響いた。
――なんでこんなことになってしまったんだろう……。
5月上旬の放課後、私は学校の屋上にいた。ようやく花粉も飛ばなくなってきたらしく、もうマスクもかける必要がなくなったなあ、なんて呑気に思いながら目の前にいる人物を見た。
今、この屋上には私と、もう一人以外に人はいない。今私の目の前にいるのは幼馴染みの歩〈あゆむ〉だ。
最初のコメントを投稿しよう!