誤解の告白から始まるプロローグ

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歩はこわごわといった様子で口を開いた。 「ねえ、優、何で今日突然あんなことを言ったの? ……本当のことを言えば、私も優のことをただの幼馴染み以上の感情を抱いていた。……でも私は、優とはただの幼馴染っていう関係でいたほうがいいんだって、ずっと自分に言い聞かせてきたんだよ。もし、それを私が口にしちゃったら、優との、幼馴染みっていう関係さえも壊れてしまうような気がして……。 でもね、もし、もし本当に優が私のことを想ってくれるっていうのなら……」 歩は深く息を吸い込み、そして、その顔を上げた。一陣の風が吹き、顔にかかっていた髪がなびく。
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