誤解の告白から始まるプロローグ

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口をきゅっと閉め、少しばかりうるんだ瞳はその奥に光を秘め、それを私の方に向けた。 沈黙が流れ、一瞬、世界が静寂に包まれたような気がした。 「あ、あのね優、私と、…………付き合って……ください」 ――なんでこんなことになってしまったんだろう……。 この疑問は、今の出来事に向けてのものではなく、今日一日の全てに対する疑問だった。……そう。私の周りの全てが狂い始めた……いや、もしかしたら狂っているのは私の方かもしれないが、ともかく、こんなに『変』になったのは今朝からなのだ。
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