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光の眩しさで目が覚めた。
昨日は眠ってしまったらしい。
ゆっくりと顔を上げて、俺は周りを見渡した。
相変わらず壁にはベッタリ血が付いている。
しかし、どこにも人は居なく、昨夜治安が悪そうだと感じたのも嘘のように思えた。
それでも何となく気味が悪くて立ち去ろうと立ち上がると、案の定体がギシギシと音を立てそうなほど痛い。
それでも歩けないほどでは無く、俺は歩こうとした。
一歩踏み出すと、何かを踏んだ。
「ん?」
足をずらして見るとそこには
―真っ黒な、まるで闇を切り取ったようなカードがあった。
俺の持っているカードではない…取り敢えずそれを拾うと地面に落ちていた上、俺が踏んだにも関わらず汚れていないソレに疑問を覚えながらもカードの文字を確認した。
『S』
「っんだよ…Sじゃ意味ないじゃんか…。つか何でこんなのに俺は真剣になってるんだ。」
ブツブツ文句を言っていると、不意に俺は影で覆われた。
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