5人が本棚に入れています
本棚に追加
一瞬どうしようか悩んだものの『S』なんて持ってもても仕方がない。
だから、別に奪われても関係ないだろう…、そう思ってソノザキと名乗る男にカードを渡した。
すると、ソノザキは驚いたように瞬きを繰り返してから、また嬉しそうに破顔した。
「おっまえ、言い奴だなぁっ!ほら、『D』っ!」
するとソノザキもカードを渡してきた、確かに『D』だ。
「…別に。例え交換せずにカードを持ち去られても俺に損は無いから。」
何となく褒められたのが嬉しくて、照れてしまった。
お世辞でもこんな事言われたのは初めてだ。
「な、一緒にカード集めねぇか?その方が効率良いし楽だぜ?」
照れくさくて顔を背けていると、ソノザキから提案があった。
ソノザキは既にかなりフレンドリーな口調になっている。
人を信じやすい性格なのだろうか?この短期間で、俺の事を信用してくれたような気がする。
信用してくれている、と言う事は…仲間にすると凄く助かるんじゃないだろうか?ソノザキはどうやらゲームに詳しいらしいし、何かわかるかもしれない。
悶々と悩んだ末、俺は小さく頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!