CHAPTER.Ⅰ[王宮の剣士]

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― 宿。 エリザ「今回は兎も角、これから先協力して頂きたい事もあるかも知れません。 大体話しておきましょうか」 ルイス「そうだな」 ミラノ「有り難いですね」 リニカ「今のままではさっぱりだし」 エリザ「では改めて、我々はクレア隠密精鋭部隊『鎌鼬(カマイタチ)』Group-F。 こちらが官長ルイス・メイ・マリアーヌ。私は副官長エリザ・サントラです。 今回の任務はレザス・ラルタナ・クレアに加えテラル王国を味方に付け、エルージュ王国はまた再建中のトナミ公国襲撃を計画中なのでそれを阻止します」 ミラノ「軍治国家のエルージュをたった四人でですか?いや、テラルの助力を得てでしょうか」  ルイスはミラノを見る。 ミラノ「?」 ルイス「それは四人だ」 リニカ「勝てるの?」 ルイス「勝てないな。 戦じゃないんだ。勝たなくていい、阻止するだけだ」 リニカ「でもどうやって?」 エリザ「敵はトナミです」 リニカ「もうさっぱり。じゃあなんで阻止するの?」 ミラノ「僕にも少々理解し難い話ですね」 エリザ「先程言ったようにトナミは戦力も蓄えています、その力はエルージュを超え今やエルージュはトナミには敵いません。 時間が必要とクレアは考えます」 リニカ「そんなに強いの?」 エリザ「トナミの影にはライファ博士軍が付いたと報があります」 ミラノ「何と…聖地エヌラス…の」 ルイス「ああ、『核』だ…」 リニカ「聞いた事あるかも」 エリザ「それなら話しやすいです」 ミラノ「しかし博士学の戦略利用は法度のはず…」 ルイス「だからクレアは怒っている。核は星を滅ぼす。 トナミはクレアの逆鱗に触れたんだ」 ミラノ「成る程…しかし核に勝つ方法などあるのですか?」 リニカ「無理よそんなの」 ルイス「その通りだな」 リニカ「星と一緒に消えるの?」 ミラノ「ルイス殿らしくない答えですね」 ルイス「そうか?手がないのは事実だからな、しかし消えはしない。 消えるならクレアと鎌鼬は動かない、核に勝つ手が無くとも、ライファ博士軍とトナミ公国になら勝つ手はあるからな」
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