CHAPTER.Ⅰ[王宮の剣士]

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ミラノ「功・・・とは?」 ウイッチ「今このテラルに大きな風を吹かせている。  国王の心へも吹かせている」 エリザ「少しでも良い方へ向けば」 ウイッチ「私もあなた達に魅かれているわ。  テラルがミジェールに破れたようなもの。  いつでも力になるわ。それだけ・・・じゃあ」  ウイッチは部屋を出て行く。 - コン コン・・・  続いて役人が部屋に訪れた。 役人「王間へ。国王が御呼びです」 エリザ「行きますか」 ルイス「ああ・・・」 -  王室。 国王「今度はこちらから話をしたいと思ってな。  まずは此度のバトル。大変に素晴らしきものであったと、讃えよう」 ルイス「滅相もない」 国王「私は此度、テラル国王名誉賞というものを案じた。  そなたにはその第一授与者になってもらいたい」 ルイス「光栄な限りです」 リニカ「凄い・・・」 国王「そなたもだ」 リニカ「え?私?・・・ですか?」 国王「そうだ。リニカ・ウイング」 リニカ「また何故・・・」 国王「ウイッチ・ラ・スパロウの申し出だ。   心よく受け入れてくれるかな?」 リニカ「あ、有り難きお言葉に・・・」  国王は一瞬頬笑み、真面目な表情に変わりルイスを見る。 国王「それから本題だが」 ルイス「はい・・・」 国王「レザスというヴァイオリン弾きを知っていよう」 リニカ「ぁ・・・」 国王「良い、あれとアルルが参ってな。  私も色々と理解させられた。  少し早いかとは思うが、私も一大国の王。  そなたらとクレアの若き都皇、そして私の眼を信じ、『テラル・クレア友好条約』に玉璽を押印した。クレアに届けるが良い」 ルイス「有り難いお言葉。深謝の限りです」  ルイスとエリザは膝を着き頭を下げた。  リニカとミラノも深く頭を下げた。 国王「良い。今日は城で休んでいけ」 ルイス「有り難うございます」 - 部屋。  エリザはなにやら笛を取り出し吹いた。 リニカ「何?掠れて耳を刺す程の高い音・・・」 ルイス「鷹笛だ。にしてもこの音が聞こえるのか。  余程優れた感覚だ」 ミラノ「成る程、僕には聞こえませんね」  ルイスは頬笑み、 ルイス「あぁ、オレたちも聞こえてない」 - ピィ・・・ リニカ「来た」 ルイス「ああ」  サラが窓枠に降りた。
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