CHAPTER.Ⅱ[海賊王]

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リニカ「何言ってるの?」 ルイス「そう言えばミラノの親父殿は   ナターダの人だったな」 ミラノ「ええ、身寄りはおそらく   もういませんけど」 エリザ「一人身ですか」 ミラノ「ええ」 リニカ「いるわ、私が妹よ」 ミラノ「嬉しい事言ってくれますね」 ルイス「ああ、いい話しだ」 ― ナターダが見えてきた。 ミラノ「あれが父の育った村か…」 エリザ「テラルから来ると本当静か   そうな所ですね」 リニカ「そうだね」 ルイス「ナターダも魚が取れる村だ   そうだ」 リニカ「海の生き物でしょ?」 ルイス「ああ、ここは取れるという   より海賊から買ってるらしい   けどな」 ミラノ「その例の海賊からですか?」 ルイス「いや、実は村は海からは少し   距離がある、だから港はない   んだ」 ミラノ「とは?」 エリザ「海から小海賊が魚をナターダに   売りに来るんです」 リニカ「じゃあその勇敢な海賊はいつ   来るの?」 ルイス「そいつは定かじゃないんだ、   村で報を集めながらあいつを   待つ」 リニカ「あいつ?知り合いなの?」 ミラノ「ああ、彼ですか」 ルイス「さすがだな、ちなみにあいつ   は彼女だ」 リニカ「教えてよ!」 ルイス「あいつだよ」 ミラノ「ハハ…」 リニカ「ばか!」 エリザ「サラですよ」 リニカ「ああ、サラね」 ルイス「そういう事だ」 ― ナターダ村。 お爺さんが畑を耕している。 ルイス「術の里と聞いたは程遠い   な…」 ミラノ「ええ…」 エリザ「お爺さん、何を作っているん    ですか?」 お爺さん「ん?ああ、キャロットだ」 エリザ「これがキャロット」 ミラノ「綺麗な色ですね」 お爺さん「おお、見ねぇ面だな」 ルイス「ミジェールから来た、ところで   酒場はどちらになるかな?」 お爺さん「おぉ、随分長旅だな、   あの角を右へ曲がれ」 ルイス「すまない、ありがとう」 お爺さん「あぁ、オイ!まだやって   ねぇ、二軒手前になぁ、喫茶店   がある」 リニカ「ありがとう、お爺さん」
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