CHAPTER.Ⅰ[王宮の剣士]

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ミラノ「ではどちらに?」 ルイス「ジパングだ」 ミラノ「何と…ジパングとは南国ではありませんか」 ルイス「言うのも面倒だが、師はアイス・イコウ。 十五までジパングに居て、それからクレアに移った。 師から授かった刀は前回の任務で折れて、今はクレアの刀工に頼んである」 エリザ「面倒なら言わなくてもいいんですよ?訊(キ)かれてない訳だし」  ミラノは頬笑む。 ルイス「…」 ミラノ「アイス・イコウの技を使う者、それに加えて鎌鼬であるあなたが刀を折られる相手か… 浮かぶとすればホーリー・ジャック若しくはシンク・ストレイ」 ルイス「両方違う…さぁ、続きはまただ。付いて来れば見えるだろう、寝る」 - 翌朝。  ルイスが珈琲を片手に二階の窓から外を見る。 ルイス「あれはミラノの客じゃないのか?」  ミラノとエリザも窓に寄る。 エリザ「想い人でしょうか?」 ミラノ「滅相もない、サリヌ殿の妹、リニカですよ」 ルイス「妹か…さて、どんな用か」 ミラノ「さて、僕にも…仇討ちでしょうか」 ルイス「一人で行った方が良さそうだな」 ミラノ「…」 - 外。 ミラノ「リニカ、申し訳がありません」 リニカ「自惚れないでくれる?兄が居なくなって私はどうしろというの?」 ミラノ「…」 リニカ「黙ってないでよ」 ミラノ「しかし…」 リニカ「面倒見てよね」 ミラノ「実はこれから旅に…」 リニカ「連れて行きなさいよ」 ミラノ「…」 リニカ「何?断るつもり?」 ミラノ「いえ、そういう訳じゃ…」
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