CHAPTER.Ⅰ[王宮の剣士]

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ミラノ「実は人が居て、供に付いて行く旅ですから、承諾を得ないと」 リニカ「その人がいいって言えばいいの?」 ミラノ「まあ、そういう事に…」 ルイス「しっかり面倒見てやりな」 ミラノ「宜しいのですか?」 リニカ「やった!」 エリザ「心強いコンビですね」  エリザ頬笑んだ。 ルイス「では行こうか」  ミジェールを後にし、南へ向かう。 リニカ「ところで何処へ向かうの?」 ルイス「テラルだ」 リニカ「こっちから?」 ルイス「近いからな」 リニカ「って山だよ」 エリザ「山ですが組織の連絡道があって歩けるようになってます」 リニカ「組織?」 ルイス「鎌鼬だ」 ミラノ「僕らも通れるでしょうか」 ルイス「一緒ならな」 リニカ「ワクワクするね」 エリザ「何もありませんよ」 ミラノ「僕も楽しみですよ」 ルイス「連絡道までがちょっとかかるな」 - ルイスとエリザが足を止めた。 リニカ「ん?どうしたの?」 ルイス「此処だ」 リニカ「何もないけど」 エリザ「ΥΔΖΘΦΧ」 リニカ「何言ってるの?」 ルイス「古代クレア語だ」  地下扉が草地を持ち上げ、開いた。 リニカ「凄い」 ルイス「秘道だからな」 ミラノ「ミジェールに住む僕らでさえ知らない訳ですね」 リニカ「うん」 ミラノ「こうしたクレアだけのエリアが世界中に?」 エリザ「ベルセイヌ大陸だけですけどね」 ミラノ「緊張しますね」 ルイス「なに、唯のトンネルだ」  階段を降りる。  クレアには通商組織柄斑(エマダラ)が存在する。  クレアのシステムでもあるが、鎌鼬連絡道にも柄斑の配慮が施されている。  道中には宿や酒場は勿論、所々に立ち寄り所がある。 ミラノ「トンネルというよりは遺跡の廊下ですね」 ルイス「鎌鼬が出来る前はクレアの忍びの根城(アジト)だったらしい」 ミラノ「改装したわけですか…」  設計としては各部屋に扉の付いている蟻の巣だ。  通路幅は約一間(曲尺)、広くはない。 リニカ「この扉は?」
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