彼女の世界観

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ユウキが外れて行った道は思った程距離があり、向こうを見るとこの街の中心にあたる「笠木山」に続く道だった。 山なんて名前付いているが木が生い茂っていているだけでとても山とは呼べない。 「もしかして家…か?」 ユウキの好奇心の対象になった立派な木の後ろには一つの家が隠れていた。 …いや、豪邸と言うべきか。 遠くだったから気付かなかったが、かなりの敷地の庭と家があった。 「広い…。なんで今の今まで気付かなかったんだよ…。」 ユウキの手が震えだした。 ユウキは鞄からいつも持ち歩いているノートとペンを取り出し、目を一度こする。 久しぶりに見つけた「大物」をこのA4のノートに閉じ込めるべく、ユウキは木に向かい走り出した。 この時のユウキには 「彼女」のことも 「不法侵入」 ということも全く頭にはなかった。
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