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太陽が静かに照り付ける
昼下がり。
一人の学生が屋上の更に上。
貯水タンクの上に寝そべりながらA5のノートに何かを描いていた。
春のくせに少し寒い風が彼の髪の毛を揺らす。
「できた!」
そのノートに描かれていたのは屋上から視野で見渡せる町の風景だった。
「…ここの景色はもう書き飽きた。森も少ないし、なんでこんな高校に入っちまったんだろーなあ…」
ここは、街の中心街の中にあるとある高校。
森はあるが
ほとんどが街。
「俺のノートしけた風景ばっか。…誰か俺にとっておきの被写体を教えてくれ~」
ガン!!
その時屋上のドアが勢いよく開いた。
横になっている学生は少し驚き体を起こした。
「よかったら被写体になってあげてもいいけど?ユウ?」
「な、奈津美!」
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