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「でも、お忍びとかあるだろ?」
霞はうつむき
手を強く握り呟くように
言った。
「私絵がすき。唄だって色んなところで唄ってみたい。だけどお母様が外に出る時は爺がいないとだめって…」
彼女は苦しそうな、何かもどかしそうな目で、ユウキを見据えた。
この時俺の中で何かが吹っ切れてしまったんだろう。
これじゃこの子が可哀相だ
なによりもこんな顔を見たくない。
「制限ある生き方楽しいか?俺が連れていってやる!そこに!」
今のは勢いじゃない。
俺の意思だ!
ちょうど強い風が吹き霞は何も言わずにユウキを見据え髪を押さえた。
こんな広い庭も少し小さく感じてしまうほどのこの空間。
「見せてくれよ、君のいろんな絵を。聞かせてよ、君の綺麗な歌を。」
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