ここは、中心街。

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屋上の扉の前にいたのは同じクラスの奈津美と呼ばれた女子学生だった。 「おお、じゃそこに立ってくれよ…」 「うるさい!最近授業いないと思ったらこんなとこにいたのね!」 彼女の目からはじりじりと殺気を感じられた。 ユウと呼ばれた男子学生は俯せになり奈津美の方をみた。 「じゃあよ、どっかいい被写体のある場所教えてくれよ~」 「まったく、あんた本当に絵しか脳がないね…美術部でも当たってみたら?」 腰に手を当てまるで説教をするかのように奈津美は喋り出した。 肌寒い風が彼女の茶色の長い髪を撫でる。 「ああ~ここの美術部はだめだ。外に出て書こうとしない。そもそも部活なんて入るきはさらさらねーよ。」 あんたねえ~と不満そうな言葉を口から漏らした。 そーいや俺なんでこの学校入ったんだっけ? ユウこと、ユウキは再び寝そべりながらその過程を思いだそうとしていた。
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