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「ユウキ!入る高校は決まったの?」
それは中三の秋のことだった。
そういえば母さんが10月に入った途端高校のことで騒ぎだしたんだよな…。
「まあ大体は決めたよ。」
なんの希望も宛てもなく発した俺の言葉。
たしかにめんどくさがりな性格だったが、今回のは失敗の文字しか頭に浮かばなかった。
「あら、そうならいいんだけど…。どこなの?」
まずいと思った時には、母さんの顔が期待に満ちていて逆に怖くなっていた状況だった。
今更引き返せねえよな…
「…ほら!そこの中央高!近くて金かかんないだろ!?」
母さんは安心しきった顔で俺を見ていた。
「よかったわ…。奈津美ちゃんのお母さんとこの前話してね、奈津美ちゃんも行くらしいのよ!そこに!」
「あ、ああ!そうなのか!あはは…」
本気でマズイ…
あのお節介焼きの奈津美まで一緒…
本格的にまずくなって来た…
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