新学期

10/10
前へ
/19ページ
次へ
「佳夜さん、そんなことないよ、十分あだなと釣り合ってるって」 それにオレ猫好きだし。 そう付け加える慎くん。 「そうなんだ、へぇ慎って猫好きなんだ。飼ってんの?」 「いや、親が動物嫌いで、飼えないんだよ」 となりでは佳夜と慎くんの会話がまだ続いてけれど、あたしの脳まで届いてはいなかった。 みゃーが似合ってる、つまりあたし可愛いから? 猫っぽくて可愛いから? あたしの頭の中では乙女の専売特許な勝手な変換が行われていた。 そんなあたしを横目で見ながら、佳夜の目がイタズラっぽく輝いたのをあたしは知らない。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加