第一章:永遠の別れ

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その日の朝はとても嫌な予感が して仕方がなかった。 城の廊下を歩く召し使いの足音 がいつもより慌ただしかったせ いかもしれない。 (どうしたのかな?) その異変を感じ、メイリィ・ア ランディアは腰掛けていたソフ ァから飛びはねる様に降りた。 金でできたた自室のドアノブは 冷たくて嫌な予感をより一層引 き立てる。 そのドアノブを回してドアを開 けると医者や、薬や水を持った 召し使い達が早歩きで廊下を行 き来していた。 メイリィは近くにいた自分専属 の召し使いに声をかける。 「どうしたの?何かあるの?」 「メイリィお嬢様!大変です! 旦那様が…」 「…!?」 メイリィは召し使いに連れられ て父の自室へと向かった。 すぐに入ろうとドアノブに手を かけたが、鍵がかけられていて 中に入れない。 「旦那様…お嬢様です」 召し使いが中にいる父に声をか けると、中からいつもでは考え られない様な弱々しい声が返っ てきた。 「メイリィか…入ってくれ」 父、ブラム・アランディアがそ う言うと、鍵が開く音がしてド アが開く。 「父様!」  
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