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「聞きたくない!聞きたくない
…!」
「メイリィ…」
「どうしてそんなこと言うの?
どうして死んじゃうって決めつ
けちゃうの?」
母の涙はメイリィと父の言い合
いを聞いているうちに止まって
いた。
今は二人のやりとりを心配しながら聞いている。
「父様の弱虫!いくじなし!」
メイリィはその言葉を言い残し
、父の部屋を飛び出した。
そして自分の部屋に向かって走
り出す。
(父様のバカバカバカっ!!)
その直後、父は息を引き取った
。
メイリィに最後の言葉を伝える
為に命を延ばしていたかの様な
静かな最後だったそうだ。
~メイリィの部屋~
「バカバカ……明日は私の誕生
日なのに…どうして…死んじゃ
うなんて言うの…?」
コンコン。
何の前ぶれもないドアのノック
に肩が大きくびくついた。
「は、はい。開いてるよ…」
「お嬢様…」
「…何?サラ…」
入って来たのはもう一人の専属
の召し使い・サラだった。
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