第一章:永遠の別れ

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「お嬢様…大変申し上げにくい 事なのですが…」 寒気がした。 窓も閉まっているし、風なんて ないのに。 さっきまではちょうどいい温度だったはずだ。 その時、何となく分かった気が した。 寒気の意味も。 サラが言おうとしている事も。 「旦那様が…先ほど…お亡くな りになりました…」 「………」 やっぱりそうだった。 死んでしまった。 さっきまで話してたのに。 明日は私の誕生日なのに。 「父様…死んじゃったの?」 サラは何も言わずただうつむい ている。 その仕草だけでも嘘ではない事 は分かった。 メイリィは力が抜けて、崩れる 様にベットに座る。 「…サラ…少しだけ…一人にさ せて…」 「……かしこまりました…」 サラが出ていった後、メイリィ はただ母みたいに泣き崩れるし かできなかった。 外に聞こえないように。 ただ、静かに―――――――。  
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