第二章:決心

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葬式が終わった後、本来ならメ イリィの10歳の誕生日パーティ が行われるはずだったが、葬式 の後だと言うことで明日に変更 になった。 正直、メイリィも今日はパーテ ィなんてする気はなく、ホッと している。 あんなしんみりした後に賑やか なパーティなど誰もやる気にな んてならないだろう。 メイリィは葬式が終わってから ずっと自室にいた。 今は何もする事がないのかお気 に入りの赤いお姫様ベットの上 で両足を上下にぶらぶらさせて いる。 “戦争をやめさせてくれ” ふと父がメイリィに伝えた言葉 を思い出した。 「…できないよそんなこと…」 上下させていた足を止めて、額 (ひたい)に手の甲を乗せる。 「でも…戦争が続くのはやだ」 そう言うと足の指で器用にベッ トのカーテンを閉めた。 「う――……」 メイリィは手をそのまま瞼の方 に下ろし、深い眠りにつく。 (今日はいい夢、見れたらいい な…)  
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