第二章:決心

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ピィピィ。 鳥の鳴き声が聞こえる… 朝かな…? 眠気を押し殺して目を開けた。 「…あ」 昨日パジャマに着替えず、喪服 のまま寝ていたので服がくしゃ くしゃになっていた。 「ま、いっか…着替えよ…」 金で縁取られたクローゼットを 開けて、薄い桃色のワンピース を着る。 それは生地が少々高級なだけで 他に宝石みたいな物はついてい ない。 まぁ、王族がわざわざ着るよう な服ではなかった。 だがメイリィはそういう服を好 んで着る。 高価な服はひらひらしていて動 きにくいらしい。 「朝ごはん何かなぁ…」 そう言いながら召し使い呼び出 しボタンを押した。 コンコン。 「お嬢様。サラです」 「入って」 ガチャ。 「お待たせしました。お嬢様」 ボタンを押してからサラが来る までの時間…五秒。 全然待ってません。 メイリィはドレッサーの前に座 った。 朝はいつもサラに髪をセットし てもらうのだ。 サラはメイリィ専用のブラシを 手に取ると、優しくメイリィの 髪をとかした。 髪をとかし終えると、メイリィ の髪をくくり始める。 「……ねえ、サラ」 「はい?」
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