第二章:決心

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メイリィがバタバタとリビング に足を踏み入れると母が長い貴 族お馴染みのテーブルの左側に 座っていた。 「…メイリィ。遅かったのね。 ご飯冷めちゃうわよ」 「ごめんなさい母様」 メイリィは母の向かい側に座り 召し使いにナフキンを首にかけ てもらう。 「ふぅ…じゃ、いただきまぁす !」 最初に手をかけたのは野菜スー プ。 キャベツやニンジンが入った健 康にいいスープである。 「メイリィ…お父様のあの時の 言葉…どうするつもりなの?」 「……!…そんなの…私だって よく分かんないよ…戦争なんて やめさせられるワケないもん」 スープを口に運ぼうとしたが、 母の問いかけで手を止めた。 ごはんの時に話さなくてもいい じゃん…… せっかくのおいしいごはんなの に… 私の誕生日の事とか話してよ… 「でも…お父様の最後の言葉は 大切にしてあげて…メイリィに しかお父様のお願い、叶えられ ないと思うから…」 「大事なことなのは分かってる 。でも一人じゃできないよ…」 父様が私にのこした大切なこと … 父様とならできるのに。 どうして死んじゃったの? 帰ってきてよ…… 父様……!
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