第三章:青年との出会い

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その日の昼、メイリィは母に訪 ねた。 「母様、私は戦争をやめさせる 為に何をすればいいの?」 「…相手国…バルデス国を説得 させる必要があるわ…」 それを聞いたメイリィは小首を 傾げた。 「せっとく…?」 母は頷く。 「バルデス国の王様にメイリィ の気持ちを伝えるのよ。それで 、いいよって言ってくれたら戦 争はきっと終わるわ」 「気持ちを伝える……私、頑張 るよ!王様にいいよって言って もらう!」 「………メイリィ…!」 母はメイリィを優しく抱き締め た。 その綺麗な瞳からは一筋の涙が 滑り落ちる。 「母…様?」 「頑張ってね…元気で帰って来 るのよ…?」 「うん!エヘヘ…頑張るね」 そう言うとメイリィは母から離 れて自室へ戻った。 母、マリィはそんな小さな後ろ 姿を見つめながら呟く。 「あの王からちゃんと承諾を得 られるといいんだけど……」 「大丈夫ですよ、奥様」 マリィの背後から声が聞こえた。 「…!サラ…」 「お嬢様は旦那様の願いを必ず 叶えてくれます。だって…旦那 様と奥様の娘ですもの」 「そう…よね」 (メイリィなら…大丈夫よね)  
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