きっかけ

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きっかけは俺の不注意だった 俺はいつものとおり運転していた 大学1年の春休みに免許を取った俺は、最初こそ緊張しながらの運転が続いていたが、段々慣れてきて自分の運転に自信を持ち始めていた、そんな矢先に起こした事故だった 路駐してあった車をよけて元の車線に戻そうとしたところ、その影からひょっこりバアさんが出てきたため、危うくひきそうになったのを急ハンドルで回避したものの、対抗車線からきた車にモロにぶっつけてしまったのだ 人命に支障を来すことなくすんだのが不幸中の幸いだったものの、ぶつけた相手が良くなかった。思いっきり派手にカスタマイズされたスカイライン、乗っていたのも思いっきりタチの悪そうなチンピラだ 「ぉいてめぇこのヤローなんてことしてくれてんだオラァ!」 パニック状態に陥った俺はただただ焦りと恐怖に包まれるだけでどうすることも出来なかった ただ慌てふためく俺をチンピラは俺の車のひしゃげたドアをこじ開け胸ぐらを掴み上げ強引に外に引きずり出した 物凄い剣幕でまくしたてるチンピラ。しかしその一語一句が右耳から左耳を通り抜けて、完全に錯乱状態の俺は、脳内で深い絶望と焦燥感でごちゃごちゃになったまま、ひたすら「すみません」を連呼し頭をペコペコ下げたが、すみませんですむ問題なはずがない、チンピラはただただ語気を強め今にも殴りかからん勢いでどやしつけてきた
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