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コンビニの弁当の箱や無数のペットボトル、お菓子の袋などゴミはあまり出て行かないのに、それでもモノは増えていく。 最初は部屋自体に生活感が殆どなく、ベッドや机、タンスに本棚はあるが、電化製品は年代物のラジオくらいしかなかった。 しかしラジオは程無くCDラジカセに変わり、新たな電化製品としてどこから持ってきたのか大きなテレビも入ってきた。 「中学生が人殺しか・・・。日奈子は、どう思う?」 まただ、と日奈子は思った。 テレビが入ってからというもの、何かのニュースを議題に佑樹がこういった問いかけをしてくるようになった。 「いけないことだと思うよ」 至極真面目に答える。 「そりゃあそうだよ、人殺しはいけないことだ。でも、違うんだよ。これは、一体誰が悪いんだろう?」 何が言いたいのかなと思いつつも、日奈子は自分の感じたままに答えてみた。 「え~、この中学生でしょ。人を殺しちゃったんだもん。悪いに決まってるよ」 すると佑樹は勝ち誇ったような笑みを浮かべる。 「違う。悪いのは、この子の親だよ。環境と社会がいけないんだ」 なんとなく自分自身にも言っているような気がした。 「どうして親が出てくるの?関係ないじゃん」 「だって、人殺しなんかする子供に育ってしまったんだよ。ここまでずっと一緒に居た、親の教育の仕方が悪かったに決まってるじゃないか」 「おじさんはそう思うんだ?でも・・・」 一瞬で空気が変わった事に気付き、日奈子は次の言葉を紡ぎ出す事が出来なくなった。 佑樹の顔が引きつり、見る見るうちに表情が無くなっていく。 「・・・おじ・・・さん?」 腹の底からのうめきのようなものが聞こえ、日奈子が弁解か言い訳か何か言葉を発しようとした時には既に遅かった。 佑樹の硬い握りこぶしがお腹にめり込み、息すらままならなくなる。 「!!!!」 その後は良くわからない奇声を発しながら、佑樹は執拗に日奈子を痛めつけた。 「あ・・・う・・・」 少し前なら慣れていたが、最近は殴られることも殆ど無くなっていた為、免疫も弱くなってしまっている。 日菜子もどうにか制止しようと努めたが、結局自分の意識が飛んでしまうまでにどうにかすることは出来なかった。
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