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起きると、家にいた。幸い、次の日は土曜で会社は休みだった。
だが、ここまで帰ってきた記憶が全くないし、二日酔いの残る頭では何がどうなっているかなど到底わかるよしもなかった。服はそのままの所をみると、すぐに寝たみたいだが、あのバーから実家までは結構な距離である。
だれか、送ってくれた?
だが、昨日のあのバーには紗耶香の身元、ましてや実家を知るものはいないはずである。
ではだれ?
とにかく、いまだガンガンと鳴り響いている頭とからだに水分を与えるために、ベッドを出た。
この歳にもなって実家から通っていたのも、元カレには気にくわなかったのだろう。
古い造りの襖を開けると、母が台所に立っていた。
「あら、起きたの?」
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