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それにやはり港のようである。彼の容姿は、派手で、よく言えば綺麗で格好良いのだ。
「港って言ってなかった?」
そうといかけた紗耶香に、そうだったかしらと首を傾げた母だ。
「そんな名前だった気もするんだけど、なんせ夜遅かったじゃない。あなたを部屋まで運んで寝せるのを手伝ってもらって、すぐに帰っちゃったから。」
あの部屋に上げたのか……。決して汚くはないが、女らしいものが一つも置いてない殺風景な部屋である。
港はどう思ったのだろうか。
今考えれば、港に惹かれているくせになにも連絡先を聞いていない。
家まで送ってもらっておいて、多分代金も払ってもらってるというのに何一つお礼をしていないなんて……。
しかも、あの曲の題名も、港のバンド名も聞いていない。
あのバーにいけば会えるだろうか。
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