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「やっぱり?でも、港は当分こないと思うよ。はい。」 難しい顔をした紗耶香に頼んでもないのにマスターは、カクテルを出してくれた。 驚いた顔をしたのはカクテルのせいだけじゃない。マスターのいったしばらく来ないという言葉が紗耶香を驚かせたいや、落胆させたちがいない。 「そっかぁ。この前送ってもらっちゃったから。」 声が震えなかったのは褒めてもらいたい。 ああ、やばい。そんなに好きなんだ。名前しか知らないのに。 俯いたまま、カクテルをうけとる。白いカクテルだ。 見たことがあると感じたのは、それが港と最後に飲んだカクテルと同じようだと思ったからだろう。 思わず顔をあげると、マスターはその髭面を惜しみ無く使いにかりと笑った。 「これ、何て言うの?」 好奇心だ。
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