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「で、何?」
離したような、言い方に、徳田は笑った。
「なぁ、悪かったよ。あれ、取り消せないか?」
言葉に耳を疑ったのは言うまでもない。
もちろん、今までこんな男が恋人であったことも恥じた。
取り消す?
こいつは、ただの喧嘩をしただけのつもりだったのだろうか?
ああ、分かった。こいつは頭だけで、なにも考えてないんだ。だから、簡単に切れて、簡単に繋がると思ってる。
「ふざけるな!」
付き合ったときには、決して荒げたことのなかった紗耶香だ。しかし、もう我慢する必要はないと、叫んでいた。
今日は、周りを気にすることはしなかった。
「大体、あんた馬鹿?少し仕事が出来るだけなのね。今頃きがついたわ。私、帰る。そして、二度と近づかないで。」
言い切ると、紗耶香は、店を飛びだした。
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