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「じゃあ、港のオススメでいいよ。」
「え?俺のオススメでいいの?知らないよ?」
笑いながら、港は立ち上がる。
バーの一角は、すこし小高くなっていて、そこに上がった港に皆が拍手をした。
「ミナ、もう一曲うたうのか!」
「いいやつ頼むよ。」
あまり広くないバーであるが、港を誰もが知っているようだった。
「はいはい、じゃあ、俺の新曲いこうかな。まだ出来上がってないからアカペラだけど。」
にっこりとこっちを向いて微笑んだ港は、聞いててねと言わんばかりに、片目つぶった。
元々綺麗な顔立ちが、真剣みを帯びて、色っぽく変化した。
わ、すごい。こうしてみると港は、大人の男のように見えた。いや、実際どんな男よりも落ち着いた雰囲気がないわけでもない。
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