8/30
前へ
/32ページ
次へ
《 流した涙 吐いた弱音 その分だけ強くなれるって誰が決めたの? 君は今を生きるんだ 新しい愛を語るために》 それは、ラブソングとは程遠い代物だったけど、紗耶香には告白されているようにしか聞こえなかった。 自惚れだってわかっているでも、彼の唄がうますぎて、きっと惹かれるだけなのだと。 皆が聴き入るのも納得できる歌唱力。面立ちも魅力的なのは、惹かれる要因として十分だ。 浅はか過ぎる。 でも簡単に購えるものでもない。 曲は決してゆっくりとしたものではなかったが、声の質というのかとても聞き取りやすかった。 みんなもそれに聴き入っているのがわかる。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

144人が本棚に入れています
本棚に追加