4.

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 「あ、あのさ」 「うん……?」 「せ、せめてさ、シャワーくらい……」 「俺は別に気にしない」 「……」  バーをあとにし、ホテルへと場所を変えると、部屋につくなり、和哉が徹の服を脱がし始めた。 「もちろん、初めてだよな」 「う、うん」  徹はされるままに、けれども段々衣服がその身からなくなっていくことを恥じらって、うつむいた。 「目、閉じるなよ。俺だけを見ていろ」 「……うん」 「素直に。感じることに素直になればいい。分かったか?」  言葉の代わりに、頷いてみせた。   何も、纏(まと)っていない姿になった。 「桜井……」 「……んっ……」  バーでは唇を合わせただけだった。しかし今度は、微かに開いていた徹の唇の間を、和哉の舌が割って入ってきて、たちまちに徹のそれを絡めとる。 「……っ……ふ……ふ、ん……っ」  始めはザラリとした舌の感触だった。それが次第に、口の中が熱くなり、唾液のせいでぬめり気を帯びてくると、何か別の生き物のような、徹の中でそれは変化した。 「ふっ、んんっ……」  逃げても、追ってくる。ならと、向こうの動きになんとか自分も合わせてみようと試みる。
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