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「やっぱり最初に会った時から俺のこと、分かっていたわけ……?」 「……」 「どうなんだよ」 「……」  縁があったのか、和哉とは高校3年間ずっと同じクラスだった。一年生の頃から、和哉はその端整な容貌で女子生徒から注目されていた。  だが徹は、別段気にすることはなかった。  気になりだしたのは二年生の時。  相変わらず、和哉の人気は不動のものだった。  近づいてくる女子には、優しい態度で接する。  不思議に思ったのは、それぐらいに人気があるのに、全く浮いた話が出てこなかったことだ。  一部では他校に彼女がいるらしいとか、噂が流れていたようだが、学校にいる時は男子の友人グループといることが多かったし、バスケットボール部として、部活仲間とつるんでいる場面は何度も目撃していた。  気に掛かったのは、態度だった。  女子生徒への態度。男子仲間といる時の態度。  細かく言えば、態度というよりは、彼の表情だった。  自然な笑顔。よそよそしい、不自然な笑顔。
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