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それが徹には分かってしまったのだ。
そして一つの結論が、徹の中で浮上した。
「最初は普通のクラスメイトとして、見ていたよ。でも、一年が過ぎて、次第に“そうなんじゃないか”って思い始めてきた」
「……俺も、最初はお前がそうなんて、全然思ってなかったよ。むしろ、グループが違っていたから興味なかったし。けどしばらくしてから、“ひょっとしたらコイツも同じなのか”と気になり始めて……。
たまたま部活帰りに、お前とばったり会って、随分遅くまで近くの公園で語り合ったよな。
同性の話を皮切りに、家族のこと、学校のこと、将来のこと。とにかく自分自身のことをしゃべりまくった」
「池上和哉という人間のことを、よく知ることが出来たと思っているよ」
「俺も、桜井徹というのがどういった人間なのか、よく知ることが出来た」
「……でも、あとにも先にも、お互いを語り合ったのは“あの時”、一度きりだ」
「そうだな」
和哉が徹の頬に触れた。
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